心臓リハビリテーション指導士

心臓リハビリテーション指導士

心臓疾患の予防・心臓リハビリテーションのスペシャリスト

心臓リハビリテーション指導士は、2000年に日本心臓リハビリテーション学会の認定資格で、循環器疾患の予防や心臓リハビリテーション、運動療法に必要な知識と経験を持つ人に与えられる資格です。

心臓リハビリテーション指導士の受験資格

  1. 心臓リハビリテーション指導士認定制度委員会主催の講習会を当該年度に受講していること
  2. 医師、看護師、理学療法士、臨床検査技師、管理栄養士、薬剤師、臨床工学技師、 臨床心理士、作業療法士、あるいは健康運動指導士のいずれかの資格を有していること
  3. 申請時に本学会会員であること(通算して2年以上の会員歴があること)
  4. 心臓リハビリ指導の実地経験が1年以上あること、または心臓リハビリ研修制度により受験資格認定証の交付を受けていること。

上記の条件を満たし、受験申請の際には10例の症例報告(自験例報告)を提出する必要があります。そのうえで、書類記載の誤りや会費納入状況を調査して受験許可をします。

引用元 -特定非営利活動法人 日本心臓リハビリテーション学会

リハビリテーション指導士の仕事

心筋梗塞や狭心症、心不全など心臓病患者の治療後のケアを行う心臓リハビリテーションを通じて、循環器疾患の治療・再発防止・QOLの向上に貢献する心臓リハビリテーション指導士の役割は年々認知されてきており、現在、心臓リハビリテーション指導士の数は、全国で3,000人を超えています。(2014年現在)

心臓疾患の患者は、心機能の低下により精神的にも身体的にも大きなダメージを受けています。これまでの心臓リハビリテーションは「心筋梗塞後の早期社会復帰」「術後の早期離床」を目的とした運動療法などが主でしたが、最近では運動療法はもとより、生活習慣の改善・栄養指導・服薬管理・心理カウンセリング・患者家族への教育啓蒙なども含めた再発防止のための包括的なリハビリテーションが不可欠となっています。

対象疾患

  • 急性心筋梗塞
  • 狭心症
  • 心不全
  • 心臓手術後
  • 大血管疾患(大動脈乖離、大動脈瘤、大血管手術後)
  • 下肢閉塞性動脈硬化症

心臓リハビリテーションの主な内容

  • 歩行トレーニング
  • 生活指導(体調管理、自覚症状観察、食生活、運動習慣)
  • 運動療法(有酸素運動、無酸素運動、筋力トレーニング)計画?実施
  • 食事療法(個別相談、栄養指導)
  • 薬物療法(服薬管理)
  • 心理療法(個別相談)など

看護の専門性をベースに循環器系の資格を得て、看護師の幅を広げる

心臓リハビリテーションには医師をはじめ、理学療法士、管理栄養士、薬剤師、臨床心理士など他業種の医療従事者が連携することが必要で、そこでの看護師の存在は重要になってきます。心臓疾患を持つ患者さんの社会復帰と再発予防の為に心臓リハビリテーションを指導し、他業種との調整を行う立場である心臓リハビリテーション指導士は、大学病院や循環器を主体とする医療施設・総合病院など心臓リハビリテーションに理解があり、積極的に行っている施設で配置されています。また、高度な循環器治療を実施している医療施設では働きながらその資格を取る事もできる様です。

資格を有していることで手当や待遇面で有利になりますし、患者さんとその家族をはじめ、医療従事者のチーム内でも頼られる存在としてのやりがいも感じられ、看護師としての幅も広がるでしょう。一方、講習会や勉強会などの実務以外の業務も多くなります。

疾患自体も多様に複雑化している中で包括的なリハビリを実施でき、他業種の医療チームの調整役を務められる心臓リハビリテーション指導士の役割は、患者のQOL向上・再発防止をはじめ、予防医学的な観点からも今後ますます期待されていく資格であると考えられます。

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