人間関係がつらい看護師へ|辞める前に考えたい職場選びと転職の進め方
看護師として働くなかで、人間関係がつらくなっていませんか?先輩に相談しづらい、病棟の雰囲気が重い、指導がきつい、チーム内で孤立しているように感じるなど、仕事そのものより人間関係に疲れてしまうこともあるでしょう。
人間関係の悩みは、我慢すれば慣れるとは限りません。看護職の職場では、患者や家族だけでなく、同僚や多職種との関係がストレスになることもあります。日本看護協会は、看護現場におけるハラスメント対策として、まず職場のハラスメント相談窓口への相談を検討するよう案内しています【注1】。
この記事では、人間関係がつらい看護師が辞める前に整理したいことや、今の職場でできる対応、転職先を選ぶときの確認ポイントを解説します。すぐに退職を決める必要はありませんが、今の職場だけで自分を責めず、ほかの働き方や職場環境を知ることから始めてみましょう。
- 看護師が人間関係でつらくなりやすい理由
- 辞める前に整理したいこと
- 今の職場でできる対応
- 転職を考えたほうがよいサイン
- 人間関係で後悔しない求人選びのポイント
- 職場の雰囲気を確認しながら転職先を探す方法
この記事は、次のような方におすすめです。
- 看護師の人間関係がつらくて辞めたいと感じている方
- 先輩や同僚との関係に悩んでいる方
- 職場の雰囲気が合わず、毎日の出勤が苦しい方
- 人間関係で失敗しない転職先の選び方を知りたい方
- 求人票だけでは分からない職場の内部情報を確認したい方
1.看護師が人間関係でつらくなりやすい理由
看護師の仕事は、患者さんへのケアだけでなく、医師、看護師、介護士、リハビリ職、事務職など多くの人と連携しながら進める仕事です。
そのため、人間関係がうまくいかないと、仕事全体がつらく感じやすくなります。まずは、看護師が人間関係で悩みやすい理由を整理してみましょう。
1-1.チームで動く仕事だから関係性の影響が大きい
看護師は、一人で完結する仕事ではありません。
申し送り、記録、処置、急変対応、患者さんや家族への説明など、チームで情報を共有しながら進める場面が多くあります。
そのため、誰かに相談しづらい、質問すると嫌な顔をされる、情報共有がうまくいかないといった状態が続くと、安心して働きにくくなります。
人間関係の問題は、単なる相性だけでなく、安全に働くための環境にも関わります。
1-2.忙しさが言い方や雰囲気に出やすい
看護の現場は、時間に追われることが多い職場です。
急な入院、急変対応、ナースコール、記録、検査出し、患者さんや家族への対応などが重なると、職場全体に余裕がなくなることがあります。
忙しさが続くと、言い方がきつくなる、質問しづらい雰囲気になる、ミスに対して必要以上に責められるといったことが起こりやすくなります。
もちろん、忙しさは人を傷つける理由にはなりません。ただ、職場の人員体制や業務量が人間関係に影響している場合もあります。
1-3.指導とハラスメントの境界が分かりにくい
看護師の職場では、命に関わる仕事だからこそ、指導が厳しくなる場面があります。
ただし、必要な指導と、人格を否定するような言動や継続的な嫌がらせは別です。
日本看護協会の資料では、心理・社会的要因として、患者・利用者、同僚、第三者による暴力、ハラスメント、精神的ストレスが取り上げられています。また、「いじめ」もハラスメントの類型の一つとして扱われています【注2】。
つらさを感じたときは、「自分が弱いから」と決めつけず、指導の範囲を超えていないかを冷静に確認することが大切です。
1-4.逃げ場が少なく孤立しやすい
病棟やクリニックなど、限られたメンバーで毎日働く職場では、一度関係が悪くなると逃げ場が少なく感じることがあります。
同じシフトに苦手な人がいる、夜勤でペアになるのがつらい、休憩室でも気が休まらない。このような状態が続くと、仕事の前から気持ちが重くなることもあります。
人間関係がつらいときは、仕事の能力だけでなく、職場環境との相性も含めて考えることが必要です。
2.辞める前に整理したいこと
人間関係がつらいと、すぐに辞めたい気持ちになることがあります。
その気持ちは自然なものです。ただ、退職や転職を考える前に、今のつらさを分けて整理しておくと、次の職場選びで同じ悩みを繰り返しにくくなります。
2-1.誰との関係がつらいのか
まずは、誰との関係がつらいのかを整理してみましょう。
先輩看護師、同期、後輩、師長、医師、介護士、患者さんや家族など、相手によって対応の仕方は変わります。
たとえば、特定の先輩との関係だけがつらい場合は、シフト調整や相談で改善できる可能性があります。一方で、病棟全体に質問しづらい雰囲気がある場合は、職場文化そのものが合っていないかもしれません。
「人間関係がつらい」と一つにまとめず、どの関係が一番負担になっているかを書き出してみましょう。
2-2.つらさの原因が人間関係だけか
人間関係がつらいと感じていても、背景には業務量やシフト、教育体制の問題が隠れていることがあります。
たとえば、人手不足で常に忙しい、残業が多い、夜勤明けに休めない、教育係が決まっていない、相談先がないといった環境では、人間関係も悪化しやすくなります。
この場合、特定の人だけを避けても根本的には改善しないことがあります。
人間関係、業務量、シフト、教育体制、管理職の対応を分けて考えると、自分が本当に変えたい条件が見えやすくなります。
2-3.体調や気持ちに影響が出ていないか
人間関係の悩みが長く続くと、体調や気持ちに影響が出ることがあります。
出勤前に涙が出る、眠れない、食欲が落ちる、休日も職場のことを考えてしまう、ミスが怖くて萎縮してしまう。このような状態が続いている場合は、早めに相談や環境調整を考えたほうがよいかもしれません。
日本看護協会は、メンタルヘルスに関する相談窓口として、看護職のためのメンタルヘルス相談窓口などを案内しています【注3】。
つらさが強いときは、一人で抱え込まず、職場内外の相談先を使うことも考えてください。
2-4.今の職場で改善できる余地があるか
今の職場で改善できる余地があるかも確認しましょう。
師長や主任に相談できるか、部署異動が可能か、シフト調整ができるか、教育担当を変えてもらえるか、相談窓口があるかなどを見てみます。
相談しても改善が難しい場合や、相談することでさらに不利益を感じそうな場合は、ほかの職場を知ることも大切です。
今日できることとして、「今の職場で変えられること」と「自分だけでは変えにくいこと」を紙に分けて書き出してみましょう。次の行動が少し見えやすくなります。
3.今の職場でできる対応
人間関係がつらいとき、必ず転職しなければいけないわけではありません。
今の職場で状況を変えられる場合もあります。ここでは、辞める前に試せる対応を整理します。
3-1.信頼できる人に状況を共有する
まずは、信頼できる人に状況を共有してみましょう。
同じ病棟の先輩、同期、他部署の看護師、師長、教育担当など、話しやすい相手を選びます。
相談するときは、「あの人が嫌いです」と感情だけを伝えるより、「この場面でこう言われ、業務に支障が出ています」のように事実を整理すると伝わりやすくなります。
一人で抱えていると、状況を客観的に見にくくなることがあります。第三者に話すだけでも、次に何を確認すればよいか見えてくる場合があります。
3-2.記録を残しておく
ハラスメントや継続的な嫌がらせが疑われる場合は、記録を残しておくことも大切です。
日時、場所、相手、言われたこと、起きたこと、その後の影響を簡単にメモしておきましょう。
記録は、相談するときに状況を説明する材料になります。感情だけでなく、事実を整理して伝えやすくなるためです。
ただし、個人情報や患者情報の扱いには注意が必要です。業務上の機密情報を外部に持ち出すのではなく、自分が受けた言動や状況を記録する意識を持ちましょう。
3-3.職場の相談窓口を確認する
職場にハラスメント相談窓口やメンタルヘルス相談窓口がある場合は、利用を検討しましょう。
日本看護協会は、職場でハラスメントを受けたとき、まず設置が義務付けられている職場のハラスメント相談窓口への相談を検討するよう案内しています【注1】。
相談しにくい場合は、外部の相談窓口を使う方法もあります。
「相談したらもっと悪くなるのでは」と不安な場合もあるため、自分の安全や心身の状態を優先しながら、無理のない相談先を選んでください。
3-4.部署異動や勤務調整を相談する
人間関係の問題が特定の部署や勤務帯に偏っている場合は、部署異動や勤務調整で改善することがあります。
病棟から外来へ、急性期から慢性期へ、夜勤の少ない部署へ移ることで、人間関係や業務負担が変わる場合もあります。
ただし、異動が必ず認められるとは限りません。また、異動しても職場文化が変わらない場合もあります。
今の職場で調整できることを確認し、それでも難しい場合は、転職を含めて別の環境を知ることも選択肢になります。
4.転職を考えたほうがよいサイン
人間関係の悩みは、改善できる場合もあります。一方で、無理に我慢し続けることで心身に影響が出ることもあります。
ここでは、転職を考えたほうがよいサインを整理します。
4-1.相談しても状況が変わらない
師長や上司、相談窓口に相談しても状況が変わらない場合は、今の職場で改善するのが難しいかもしれません。
特に、相談した内容が軽く扱われる、加害的な言動が放置される、相談後にさらに居づらくなるような職場では、安心して働き続けることが難しくなります。
その場合は、今の職場だけで頑張ろうとせず、ほかの職場を知ることも必要です。
転職を決める前でも、求人を見て「自分が働けそうな環境がある」と知るだけで、気持ちが少し整理されることがあります。
4-2.出勤前から強い不調がある
出勤前に涙が止まらない、動悸がする、眠れない、吐き気がするなど、強い不調が続く場合は注意が必要です。
その状態で無理に働き続けると、仕事だけでなく日常生活にも影響が出ることがあります。
まずは、医療機関や相談窓口、信頼できる人に相談しましょう。退職や転職の判断は、心身の状態を整えながら考えることが大切です。
「辞めたら迷惑がかかる」と思うかもしれませんが、自分の健康を守ることも大切な判断軸です。
4-3.ミスが怖くて萎縮している
人間関係が悪い職場では、ミスを過度に責められることを恐れて、萎縮してしまうことがあります。
分からないことを聞けない、確認できない、報告が遅れるようになると、患者さんの安全にも影響しかねません。
看護の仕事では、安心して質問や相談ができる環境が重要です。
常に怒られることを恐れて動いている状態なら、その職場が自分に合っているかを見直す必要があります。
4-4.看護師そのものを辞めたいと思い始めている
人間関係がつらい状態が続くと、「看護師に向いていない」「もう看護師を辞めたい」と感じることがあります。
ただ、その気持ちは、看護師の仕事そのものが合わないからではなく、今の職場環境が合っていないだけかもしれません。
病棟、クリニック、訪問看護、介護施設、健診センターなど、看護師の働き方は一つではありません。
看護師を辞める前に、ほかの職場では自分らしく働ける可能性がないかを確認してみましょう。
5.人間関係で後悔しない求人選びのポイント
人間関係を理由に転職する場合、次の職場でも同じ悩みを繰り返さないように、求人選びが重要になります。
給与や勤務時間だけでなく、職場の雰囲気や教育体制も確認しましょう。
5-1.職場の雰囲気を確認する
人間関係で転職を考えるなら、職場の雰囲気は必ず確認したいポイントです。
ただし、求人票だけでは人間関係や雰囲気までは分かりにくいものです。
レバウェル看護の公式サイトでは、実際に働いている方や転職した方へのインタビューで得た、表に出にくいリアルな情報を伝えると案内されています【注4】。
「スタッフ同士の雰囲気はどうか」「相談しやすい職場か」「子育てや急な休みに理解があるか」など、求人票に載りにくい情報を確認することが大切です。
5-2.教育体制やフォロー体制を見る
新しい職場で安心して働くには、教育体制やフォロー体制も重要です。
中途入職者への研修があるか、プリセプターや相談役がいるか、分からないことを聞きやすい雰囲気かを確認しましょう。
特に、病棟からクリニック、訪問看護、施設などへ転職する場合は、仕事内容が大きく変わることがあります。
経験者だからといって、いきなり一人で任される職場では不安が大きくなりやすいです。入職後のサポートがあるかを見ておくと安心です。
5-3.離職率や定着率の情報を確認する
人間関係がよい職場を見極めるうえで、離職率や定着率も参考になります。
離職率が高い職場は、業務量、人間関係、待遇、管理体制などに何らかの課題がある場合があります。
ただし、数字だけで判断するのは難しいこともあります。新規開設の施設や、採用を強化している時期など、背景によって見え方が変わるためです。
気になる求人があれば、なぜ募集しているのか、前任者の退職理由、入職後の定着状況を確認しておきましょう。
5-4.面接や見学で違和感を確認する
求人票で条件がよく見えても、面接や見学で違和感を覚えることがあります。
スタッフ同士の挨拶が少ない、見学中に職員の表情が暗い、質問に対する回答があいまい、忙しさを隠しているように感じるなど、小さな違和感も大切な情報です。
面接では、自分が気になることを確認しておきましょう。
人間関係で悩んで転職する場合は、条件だけでなく「ここで安心して働けそうか」という感覚も無視しないことが大切です。
6.職場の雰囲気を確認しながら転職先を探す方法
人間関係がつらくて転職を考える場合、求人票だけで職場を選ぶのは不安が残ります。
給与や勤務時間だけでなく、職場の雰囲気、教育体制、残業の実態、定着率なども確認しながら探すことが大切です。
6-1.レバウェル看護で相談できること
レバウェル看護は、看護師・准看護師の求人を扱う転職支援サービスです。
公式サイトでは、職場の雰囲気や働きやすさなど、入ってみないと分からない職場のリアルを業界専門のアドバイザーが伝えると案内されています【注5】。
人間関係で悩んでいる方にとって、求人票だけでは分からない情報を確認できることは大きな安心材料になります。
6-2.聞きにくい質問を代わりに確認してもらえる
人間関係や職場の雰囲気について、面接で直接聞きにくいと感じる方もいるでしょう。
「人間関係は良いですか」と聞いても、職場側が本音をそのまま答えてくれるとは限りません。
レバウェル看護の公式サイトでは、残業や昇給など、自分から聞きにくい質問も代わりに情報収集すると案内されています【注4】。
人間関係で転職を考えている場合は、職場の雰囲気、定着率、教育体制、残業の実態などを事前に確認しておくと、入職後のギャップを減らしやすくなります。
6-3.転職を決める前の情報収集にも使える
転職サービスというと、すぐに応募しなければいけないと感じる方もいるかもしれません。
しかし、今の職場に残るか、部署異動を相談するか、転職するかを考えるためにも、ほかの求人を知ることは役立ちます。
たとえば、次のようなことを確認できます。
- 人間関係や雰囲気を重視できる求人があるか
- 教育体制が整っている職場があるか
- 病棟以外の働き方があるか
- 今の給与や勤務条件が他の職場と比べてどうか
- 面接や見学で確認すべきポイントは何か
転職を急いで決める必要はありません。まずは、今の職場以外にどのような選択肢があるのかを知るだけでも、気持ちが整理されることがあります。
6-4.一人で抱え込まず職場選びを進める
人間関係がつらいときは、判断力が落ちてしまうことがあります。
「どこへ行っても同じかもしれない」「自分が悪いのかもしれない」と考えてしまい、動けなくなる方もいます。
しかし、職場によって雰囲気や教育体制、働き方は違います。今の職場で合わなかったからといって、看護師として働く道がなくなるわけではありません。
人間関係がつらいときこそ、職場の雰囲気や内部情報を確認しながら、自分に合う環境を探すことが大切です。
まとめ
看護師の人間関係がつらいときは、まず原因を分けて整理することが大切です。特定の人との関係なのか、病棟全体の雰囲気なのか、業務量や教育体制が影響しているのかによって、取るべき行動は変わります。
今の職場で相談や部署異動、勤務調整ができる場合もあります。一方で、相談しても状況が変わらない、体調に影響が出ている、安心して質問や報告ができない場合は、転職を含めて別の環境を考えることも必要です。
7-1.人間関係がつらいときの確認ステップ
- つらい相手や場面を整理する: 誰との関係が負担なのか、どの場面でつらくなるのかを書き出しましょう。
- 業務量や教育体制の影響も見る: 人間関係だけでなく、忙しさや相談しにくい環境が影響していないか確認します。
- 信頼できる人や相談窓口に話す: 一人で抱え込まず、職場内外の相談先を使うことも考えましょう。
- 今の職場で改善できるか確認する: 部署異動、シフト調整、教育担当の変更などが可能か見てみます。
- 求人票に載らない情報を確認する: 職場の雰囲気、定着率、教育体制、残業の実態を確認して転職先を選びましょう。
人間関係がつらい状態が続くと、看護師そのものを辞めたいと感じることがあります。けれど、今の職場が合わないことと、看護師に向いていないことは同じではありません。
まずは、自分に合う職場環境がほかにないかを確認してみましょう。職場の雰囲気や働きやすさを知ることで、次の一歩を考えやすくなります。
出典
【注1】:「看護現場におけるハラスメント対策|日本看護協会」
URL:https://www.nurse.or.jp/nursing/shuroanzen/n_harassment/index.html
【注2】:「心理・社会的要因|日本看護協会」
URL:https://www.nurse.or.jp/nursing/assets/anzeneisei_guideline_66.pdf
【注3】:「労働に関する相談窓口・関連情報|日本看護協会」
URL:https://www.nurse.or.jp/nursing/shuroanzen/madoguchi/kikan/index.html
【注4】:「看護師の求人/転職/募集情報サイト|レバウェル看護」
URL:https://kango-oshigoto.jp/
【注5】:「看護師・准看護師の求人・転職|レバウェル看護」



