
助産師は、女性がお産をするときのサポートや、妊娠・出産・産後の女性と赤ちゃんに対して健康に関する教育や相談を行う専門家です。
助産師になるには
助産師国家試験の受験資格は厚生労働省が定めており、まずは看護師資格を有していることが必須。また、助産師になれるのは女性のみです。
助産師国家試験の受験資格
看護師国家試験に合格した者、保健師助産師看護師法第21条各号のいずれかに該当する者又は同法第53条第1項に規定する者であって、かつ、次のいずれかに該当するもの
引用元 -引用元/公益社団法人日本助産師会
- 文部科学省令・厚生労働省令で定める基準に適合するものとして、文部科学大臣の指定した学校(以下「指定学校」という。)において6か月以上助産に関する学科を修めた者。
- 文部科学省令・厚生労働省令で定める基準に適合するものとして、厚生労働大臣の指定した助産師養成所(以下「指定養成所」という。)を卒業した者。
- 外国の看護師学校を卒業し、又は外国において看護師免許を得た者であって、厚生労働大臣が(1)又は(2)に揚げる者と同等以上の知識及び技能を有すると認めた者。
かつて「お産婆さん」と呼ばれ赤ちゃんを取り上げることを生業にしていましたが、法律の整備や出産環境の変化等を経て「助産婦」に、また、2002年の保健師助産師看護師法によって「助産師」という名称になりました。
助産師は、正常妊娠の妊婦であれば医師の指示がなくても処置が可能です。助産師の主な仕事は妊娠や出産・出産後の育児に関するサポートなので、看護師や保健師などに比べると助産師と直接関わるのは限られた時期や場所となりますが、最近では出産の介助だけでなく、妊産婦の体調管理やメンタルケア、不妊治療、思春期の悩みや更年期症状など、様々な時期の女性の心と体のケアを行う仕事です。
平成24年の助産師数は約31,835人。そのうち大学病院・総合病院の産婦人科等が最も多く約21.000人、続いて診療所が約7,000人、助産院が約1,700人、看護師等学養成所等が約1,500人、地域の保健センター等で約1000人となっています。(厚生労働省調べ)
助産師の年収は、勤務先になる医療機関・助産院・施設などによって大きく異なりますが、統計資料によると平均月給が35万円というデータがあり、医療職の看護師の給与よりも若干高く設定されているケースが多いようです。職場や働き方によっては夜勤手当、分娩手当などもあります。なお、正常分娩は事前予測が難しくお産も何時間かかるかわからないため、勤務時間は不規則になりがちです。勤務先の勤務シフトによって、肉体的にも精神的にも負担が大きくなる事があります。
看護師免許を持っていれば、最短だと1年で助産師になれます。総合病院等の産科外来・産科病棟では看護師も働けますが、助産師の有資格者の方が優先的に採用・配置される傾向がありますし、看護師に比べ他の科への異動がほとんどありません。看護師の経験や知識、緊急時の対応などは助産師の仕事上でも必要なスキルですし、助産師は将来独立開業も可能です。
近年、少子化により分娩数が減少し、それに伴って産婦人科医や産婦人科自体も減っています。このため、助産師が妊産婦の検診や指導を行う「助産師外来」も増えつつあります。また、安心して子どもが産める助産院を望む妊婦さんも増えています。出産・育児環境の整備は今や国策のひとつでもあり、子どもを産み育てること・女性の体に関する知識の啓蒙普及など、助産師の役割はますます広がっていくと思われます。