今 その会話 大丈夫? 看護師と守秘義務

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看護師に限らずどんな職業でも職業倫理としての守秘義務は発生しますが、特に弁護士・公務員・医療従事者など特定の職業に従事する者は、職務上知り得た秘密を守る守秘義務を生じることが法律で定められています。

当然、看護師にも守秘義務があり、万が一専門職としての秘密保持義務に反した場合は、『保健師助産師看護師法第42条の2』や『刑法第134条』などにより処罰の対象ともなり得ます。こうした看護師の職業倫理については養成機関でもしっかりと教育されている事です。

現場の看護職は患者さんの病状や治療についての具体的なデータはもとより、患者さんとのコミュニケーションを円滑にするために患者さんの生活環境などのプライバシーや性格に直接関わる多くの情報を扱っています。
最近ではそれらの情報が漏洩される危険性も多くなってきているのです。故意に情報を流出させたり、データを記録した書類やPCの紛失や盗難などの事件・事故ではなく、何気ない不注意が大きな問題に発展してしまう事があるのです。

数年前には、病院勤務の看護師が患者さんの余命を含む病状を自分の夫に話してしまい、最終的にそれが患者さんのご家族の耳に入り、ショックを受けたご家族が病院に対し訴訟を起こしたという事がありました。他にも、患者さんの通院や病状を看護師が自分の家族や友人に喋った為に、話が広まってしまったなどという事もあるようです。
保健師助産師看護師法42条には退職した場合も同様に守秘義務が生じると規定されていて、退職後看護師・准看護師・保健師ではなくなった場合にも守秘義務は続く事を認識する必要があります。

個人情報漏洩を防ぐために看護師が気をつけたいこと

家族や友人との会話

家族や仲の良い友人との間で世間話や仕事の愚痴話のついでにうっかり口にしてしまうというのは珍しいことではありません。日頃から気をつけましょう。

公共の場所での同僚との内輪話

同僚との内輪話のつもりが、同じ空間にいた人たちの耳にはいってしまう可能性もあります。カフェや居酒屋、通勤電車の中やバス停、トイレなど誰が聞いているかわからない公共の場所での会話には特に注意が必要です。「こんな場合どうしたらいい?」程度の相談でも名前や個人が特定されるような会話は避けなければなりません。

FacebookなどのSNSやTwitter・ブログなどへの書き込み

最近多いのが個人的なSNSやTwitter・ブログなどへの情報の書き込みです。ほとんどが患者さん個人を特定できる情報は伏せられていますが、本人が目にしたら自分だとわかってしまうようなきわどい内容のものもあります。なかには画像や検査データをアップしている人がいますが、患者さんの情報はあくまで患者さん自身のもので、個人情報の流用になります。無意識に個人的な情報を公開してしまう可能性があることを肝に銘じておきましょう。

書類の取り扱い

忙しくて書類を書く時間がなかったからと言って書類などを家に持ち帰ることは厳禁です。また、他の事に気を取られ不用意に病室などに置き忘れることもあります。病室を出る時や移動するときにはメモ書き程度のものでも書類の置き忘れに注意しましょう、
要らなくなった書類は必ずシュレッダーにかけて廃棄します。

問い合わせへの対応

病室では見舞い客や親戚などから患者さんの病状を聞かれることがあります。勝手に病名を伝えたり病状を説明することは厳禁です。患者さん本人や家族から聞いてもらうように説明しましょう。また、電話で入院中か退院したかなどの問い合わせが来ることもあります。
なかには近所や職場、親戚などにも内緒で入院している人もいます。入院しているかどうかということも個人情報ですから、「直接、ご本人かご家族にお尋ね下さい」などと言葉をにごす事も大事です。

患者さんの健康状態を含む様々な情報に触れる看護師は、患者さんの個人情報保護について日常の仕事で薄れがちになってしまわないよう改めて認識する必要があるのです。