育児・子育ての経験が役立つ。児童養護施設で働く看護師の仕事とは

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児童養護施設は「児童福祉法」に基づき、保護者がいないもしくは何らかの理由(虐待・貧困等)によって保護者が養育することができない乳児や児童を擁護するための施設です。

入所対象者(児)は、満0歳から満18歳(場合により20歳まで延長可能)です。入所対象者(児)原則として1歳から18歳(場合によっては20歳まで延長可能)で全国に公立・民間の599施設があり、約3万人弱の子どもたちが生活しています。

施設によって規模や運営は異なりますが、子どもたちの生活の場としてできる限り家庭に近い雰囲気の中で生活を送ることができるよう児童指導員・保育士等の専門職や施設長・ 事務職員・栄養士 ・ 調理員 ・嘱託医また臨床心理士やファミリーケースワーカーなどがサポートしています。

児童養護施設での看護師の雇用状況

満1歳未満の乳児を対象としている乳児院では看護師が保育士とチームを組み、子どもたちの生活をサポートしますが、児童養護施設でも乳児が入所する施設では看護師の配置が義務づけられています。看護師の最低・措置基準によると、乳児10人以上の施設で乳児1.7:1(7人以上)が配置基準で看護師は乳児の定員が10人で2人以上、乳児が10人増えるごとに看護師1人以上を配置。乳児10人未満の施設では乳児7人以上で看護師1人以上配置することになります。

現在、乳児が入所しない児童養護施設では看護師の配置は義務化されてはいませんが、厚生労働省や全国児童養護施設協議会は児童養護施設に看護師の雇用を推進しており、また民間の児童養護施設では積極的に看護師を雇用する傾向にあります。

児童養護施設での看護師の役割

看護師の主な仕事内容としては次のようなものが挙げられます。

  • 施設に入所している子ども達の急病やケガに対する応急処置
  • 施設内での感染症の予防及び保健知識の普及
  • 子ども達の保育補助や施設内業務のサポート
  • 日々の健康管理や疾病の予防、保健相談

看護師の仕事は入所している子ども達への対応だけではなく、施設で働いている職員・スタッフの健康管理や相談、応急処置も含みます。また、基本的に看護師を含めた施設職員は入所している児童の生活をサポートする役割を担っているため、保育士や栄養士・家庭支援専門相談員などのスタッフと協力しながら、児童とその家族に対してのケアを行なう仕事が中心になります。

児童養護施設の看護師の適性

一般的な保育園や幼稚園と大きく異なる点は、施設が24時間生活する場である点です。保育園や幼稚園であれば急病やケガの応急処置はしても、基本的には保護者のもとに返して保護者に対応してもらうことになりますが、児童養護施設では施設自体が子どもたちにとっての帰る場所になるのです。

保護者からの虐待などが原因で一緒に生活できない子どももいますし、障がいなどがあり保護者と生活ができないなど様々な事情を抱え、心や体に傷を負った子どもが少なくありません。
また、病院勤務では自分の仕事が大変な時には同僚の看護師に助けてもらう事もできますが、児童養護施設で働く看護師は「看護師でないとできない仕事」を1人で担わなければいけない事が多く、子ども達一人一人の変化を早く発見することが必要です。

このような状況の中で仕事をする看護師は看護知識や技術はもちろん、保育に関する知識・経験・コミュニケーション能力などが求められます。そして何よりも必要となるのは、子どもの面倒を見たり世話をするのが好きであるという事です。

児童養護施設において看護師は必要とされる存在であり、子ども達の将来をも左右するやりがいのある職場だといえるでしょう。