『看護師は職とお金に困らない』ってホントなの?やっぱり気になる。今の看護師の給料事情

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一般に「看護師は給料がいい」と言われていますし、「看護師なら職とお金には困らない」とも聞きます。
一方で、現場の看護師の中には「給料が低すぎる」「仕事の内容に見合っていない」という声も多く、転職理由の上位には「給料への不満」が入っているのも事実です。

一概に看護師といっても働く場所や働き方によって給与体系は様々でしょうし、満足感は各自の価値観によるところが大きいものですが、額面上はどうなのでしょうか。データでみてみましょう。

看護師の給与構成

看護師の給与は、基本給+各種手当て(時間外手当・休日手当・夜勤手当・通勤手当・住宅手当・皆勤手当・資格手当・役職手当など)によって構成されます。
各種手当てに関しては、すべての医療機関で支払われるわけではなく、支給やその金額が法律で義務づけられている手当(超過勤務手当・時間外手当・残業手当・夜勤手当など)もあれば、医療機関などが自由に支給や金額を決められる手当があります。
基本給の額は賞与や退職金・残業手当などに関係し、生涯年収にも大きく影響を及ぼしますが、看護師の基本給はやや低めに設定されている傾向にあり、給与総額に占める基本給の割合は他の専門職に比べても低くなっています。
◆看護師の給与は基本給が低め、各種手当が給与額を牽引

看護師の平均年収額

平成25年賃金構造基本統計調査(厚生労働省)のデータによると、看護師の平均年収は約472万円(平均年齢38.3歳 勤続年数7.5年)、准看護師の平均年収はで約399万円(平均年齢46.7歳 勤続年数10.2年)となっています。女性の職種別年収(月額給与額+賞与など特別給与額)としては18位。
女性の就業者数を職種別で比べてみると、トップが看護師(49,261人/472万円)で、5位が准看護師(15,777人/398万円)・7位が看護補助者(12,988人/278万円)と、女性の職場として看護職の占める割合が大きい事がわかります。
職種別の年収を見ると、就業者数2位の福祉施設介護職員(39,506人)が294万円、3位の販売店員(25,743人)が260万円、4位の保育士(22,051人)が309万円 等となっており、一般的に女性の平均年収が300万円台で推移している中で、金額だけを比べると看護師の年収は高いように見えます。
◆女性の職場としては高い年収額を維持

世代別年収

看護師は、経験歴の浅い新社会人世代(20代前半)の年収でも380万程度と、一般職の平均年収(280万円弱)よりもかなり高くなっています。看護師の年収推移は、20代後半〜30代で400万円を超え、最高額は50~54歳で540万円前後。就業者全体の推移は20代の年収は300万円台と看護師の年収を下回りますが、30代後半から500万円台を超えて看護師を上回り、最高額は50代後半で600万円台となっています。看護師の年収の伸び率は緩やかで初年度から最高額までが160万円程度、就業者全体の310万円に比べるとかなり低い様です。
しかし、民間企業等の年収は景気・業績などによる変動も大きく、リーマンショック(2008年)後の全職種の平均年収は30万円以上低下しました。同じ時期でも看護師の年収はそう大きく低下することなく、看護師は他職種に比べ、年収の変動が少なく高い水準で安定しています。
◆世代を通じて安定しているが、年収の伸び率は低い

地域・病院規模別

看護師の給料は勤務する場所・医療機関によって大きく変わってきます。
地域的にみると、首都圏や関西圏、政令指定都市などの医療施設の方が高めに設定されているようです。
病院規模でみると、大学病院や国立・公立の病院、総合病院といった大規模な病院の方が、各種手当てが複数存在するため、比較的給料が高めになっていますし、福利厚生や院内研修制度なども整っています。
しかし、大規模な病院では看護師数も多く役職に就ける確立は高くないので、昇給の機会も減り年収の伸び率は大きくない様です。
また、小規模な病院やクリニックなどは各医療機関によって手当の充足に差異があり、夜勤や残業がないため平均年収も低い傾向にあります。
◆都市部・大規模な医療機関の方が給料設定は高めな傾向に

看護師の給料・年収について、額面だけみれば他の職種より全体的に高めで安定してはいますが、それは残業や夜勤のハードなスケジュールをこなしているからですし、看護師の仕事自体が「患者さんの命と健康を守る」という重大な責任を伴った精神面にも肉体的にも大きなプレッシャーがかかる仕事だという事を考えると、仕事の内容に見合っているとは言えないかもしれません。
しかし、結婚・出産・育児・介護などで一時職を離れても、復職が比較的容易でしかも一定の給料が期待できるのは看護職の大きな魅力です。
看護師の人手不足が深刻化している中で、給料面も含めて自分の価値観に合った職場を探す事は十分可能な職業だといえるでしょう。