老人ホームにおける看護師の役割は? 就職・転職のポイントを紹介

老人ホームにおける看護師は、一般病院と異なる役割を担うことになります。老人ホームは入居者に食事を提供したり、入浴などを介助したりと日々の生活を手助けする場所です。高齢者向けの住宅・居住スペースとなるため、治療のために入院する病院とは看護師の仕事内容も変わります。では、具体的にどのような役割を担い、仕事をするのでしょうか。本記事では、老人ホームでの看護師の仕事内容・勤務・メリットとデメリットについて解説します。

  1. 老人ホームでの看護師の仕事は?
  2. 老人ホームでの勤務内容は?
  3. 老人ホームの看護師のメリット・デメリット
  4. 老人ホームの看護師になるためには?
  5. 老人ホームの看護師に関してよくある質問

この記事を読むことで、老人ホームの看護師の役割と仕事内容が分かります。気になっている方は、ぜひチェックしてください。

1.老人ホームでの看護師の仕事は?

高齢者の生活をサポートするのが、老人ホームという施設です。医療行為が主な病院とは目的が大きく異なりますが、老人ホームで働く看護師は一体どんな役割を担っているのでしょうか。

1-1.役割をチェック!

老人ホームにおける看護師の役割は、主に3つあります。
1つ目は「入居者の健康管理」です。一般的に、老人ホームは自立生活が困難な高齢者が集まる場所で、病院ではありません。入居者の健康チェックと日常で必要な医療行為をすることが、老人ホームにおける看護師の役割となります。
2つ目は「入居者に異変があった場合の応急処置」です。介護老人福祉施設をのぞく老人ホームは医師が常駐していないため、看護師が応急処置をする必要があります。
そして、3つ目の「病院に行くか救急車を呼ぶか等の判断、付き添い」の役割につながるのです。状況を冷静に受け止め適切な判断を下すのも、看護師の大切な役割となります。緊急時はスムーズに医療機関に対応してもらうため、日ごろから連携を強化することも大切です。

1-2.仕事内容と1日の流れ

老人ホームで働く看護師の仕事は、入居者のバイタルチェック・配薬と薬のセット・口腔(こうくう)ケア・ケア記録の記入などがあります。看護師だけができる仕事はもちろんのこと、食事見守りやレクリエーションの補助など介助業務も行うところがほとんどです。老人ホームならではの仕事と言えるでしょう。以下に、主な1日の流れをピックアップしたのでぜひチェックしてください。

  • 9:00~出勤・申し送り
  • 9:30~入居者の居室を巡回し、健康チェック
  • 10:00~医師の指導に基づく処置
  • 11:00~入浴前後の健康状態の把握と記録
  • 12:00~昼食時の見守りやサポート業務
  • 13:00~入居者とのコミュニケーションを図りながら健康状態をチェック
  • 14:00~レクリエーション補助など、入居者との交流
  • 15:30~日中の健康状態や服薬状況などを記録
  • 17:00~夜間スタッフに申し送り

1-3.病院・ほかの施設との違いは?

病院における看護師は、医師の指示に基づいて、点滴などの医療処置を行う業務が一般的です。けれども、老人ホームの場合で行う医療処置は基礎的なものが中心となるため、高度な医療処置スキルを持っていなくても働くことができます。医療処置を行う機会の少なさが、老人ホームと病院の大きな違いと言えるでしょう。

2.老人ホームでの勤務内容は?

では、老人ホームでの勤務形態や給料について解説します。

2-1.老人ホームはどんなところ?

一般的に、要介護認定を受け、自立生活が困難な高齢者が入所する施設を「老人ホーム」と言います。老人ホームと言ってもさまざまな種類があり、大まかに分けると「民間運営」と「公的施設」の2種類です。民間運営は有料老人ホームとそのほかの施設(ケアハウスなど)、公的施設は介護保険施設と福祉施設に分けられます。種類によってサービス内容・目的・費用・入居条件だけでなく、医師・看護師の配置義務や医療行為の充実度も変わるのです。
たとえば、老人保健施設は医師と看護師の配置が必要で、医療行為の充実度が最も高い傾向があります。

2-2.雇用形態・給料は?

老人ホームは入院設備のないところがほとんどなので、主な雇用形態は「日勤」です。派遣として短期間だけ働く看護師も多く存在します。ただし、介護老人保健施設の約7割が夜勤業務を実施しているので、施設によって夜勤の有無が変わるでしょう。
また、気になる介護系看護師の平均年収は、約400万~500万円です。病院で働く看護師よりも給与水準は低めですが、夜勤業務が発生した場合は夜勤手当が加算されることになります。

2-3.病院・ほかの施設との違いは?

前述したとおり、勤務内容の主な違いは「夜勤の有無」です。介護保険施設は夜勤業務が発生する可能性はありますが、そのほかの老人ホームはほとんどが日勤業務となります。日勤業務でも施設によっては、月に7~8日以上のオンコール対応が必要というところもあるので注意してください。雇用形態・勤務内容に関しては、求人内容を細かくチェックしましょう。

3.老人ホームの看護師のメリット・デメリット

老人ホームの看護師のメリットとデメリット、向いている人について解説します。

3-1.メリットは?

老人ホームは夜勤がない職場がほとんどなので、家事・育児と両立しやすいメリットがあります。勤務時間が短い分、ワークライフバランスが取りやすくなるのです。また、高齢者と触れ合う場となるためコミュニケーション能力が高くなり、介護スキルを身につけることができます。少子高齢化が進んでいるので、介護スキルは今後ますます必要とされるでしょう。さらに、ブランク後の復帰がしやすい点も大きなメリットです。入居者の健康管理が基本業務なので、高度な医療スキルは必要ありません。実に、老人ホームで働いている看護師の多くが、子育てが落ち着いた40~50代なのです。育児をしながらでも働きやすい職場環境が多いのも魅力的なポイントではないでしょうか。

3-2.デメリットはあるの?

ブランク後の職場として最適ですが、多くの老人ホームは看護師が1人で入居者の健康管理を行うことになります。そのため、自分の判断が必要になるというプレッシャーを感じるでしょう。また、最先端の医療スキルを身につけたい方には物足りなくなります。基礎的な医療処置が多いため、病院のように高度な医療スキルを身につけてキャリアアップするのは困難です。施設によっては、オンコールの対応が多い場合もあるので、ワークライフバランスを保ちたい方はオンコールの頻度もチェックしておきましょう。

3-3.向いている人は?

老人ホームの看護師に向いている人は、以下の項目に当てはまる人です。

  • ワークライフバランスを保ち続けたい
  • 家事と育児を両立させながら看護師として働きたい
  • 夜勤の少ない施設で働きたい
  • ブランク後でも安心して働きたい
  • 介護スキルを身につけたい
  • 高齢者と触れ合うのが大好き
  • 自身のコミュニケーション能力を活(い)かしたい

4.老人ホームの看護師になるためには?

老人ホームの看護師に必要な資格とスキルはどのようなものなのでしょうか。ここでは、就職・転職のポイントや求人傾向・探し方についても解説します。

4-1.必要な資格とスキルは?

当たり前のことですが、看護師として働くためには「看護師免許」が必要不可欠です。そして、入居者1人1人の体の状態を把握し、健康を維持するための「幅広い視野」が必要となります。日々の健康管理を把握し異変に気づく「観察力」も大切でしょう。さらに、介護職員やスタッフ・外部の協力医とも関係を深めることが必要です。コミュニケーション能力はもちろん、緊急時に適切な判断をする看護師としての能力も持っておきたいスキルと言えます。

4-2.就職・転職のポイント

老人ホームの種類によって、雇用形態・仕事内容・オンコールの頻度・夜勤の有無などが異なります。求人を探す前に、自分がどんな職場で働きたいのか、1日何時間働けるのか明確にしておきましょう。就職・転職の目的を明確にしておけば、希望条件に優先順位がつけられ、理想的な職場が見つかりやすくなります。

4-3.求人傾向、探し方は?

もともと、医療・介護業界の人手不足は深刻化していました。近年は、少子高齢化が進んでいるため、さらに深刻な人材不足に陥っています。そのため、看護師の求人傾向は年々増えているのです。特に、高齢者の増加にともない、老人ホームにおける看護師の募集案件も増えています。
主な探し方は、ハローワーク・求人情報誌ですが、看護師の転職サイトの利用がおすすめです。看護師専門の就職・転職サイトなので、看護師だけにしぼった求人案件が掲載されています。「看護師キャリアアップ」では、好条件案件を多数掲載し、経験豊富な転職のプロがサポートしているので安心です。誰にも言えない悩みがあれば、担当者に相談することもできます。登録から転職まで、すべてのサポートが無料で受けられるのでぜひ1度ご相談ください。

4-4.注意点

転職サイトの中には、条件に見合った案件を紹介してくれないところもあります。就職・転職をスムーズに進めるためには、優良な転職サイトを選ぶことが大切です。転職サイトを選ぶ際は、「掲載数の多さ」「スタッフの対応」「口コミ・評判」をチェックすると良いでしょう。中でも、担当者とのやり取りが大切になるため、迅速かつ丁寧に対応してくれるか確認してください。相談しても対応が遅い、丁寧な説明をしてくれないところは危険です。

5.老人ホームの看護師に関してよくある質問

老人ホームの看護師に関してよくある質問を5つピックアップしてみました。

Q.勤務先を決める際に注意すべきことは?
A.規模が小さめの施設の場合、介護職員と看護師の職域がきちんと分けられていないことがあります。その際は、看護師も介護の仕事を行うことになるため、事前に求人内容をチェックしたほうが良いでしょう。ただし、介護スキルを身につけたい方は、介護職員との職域がハッキリと分けられていない施設のほうが介護業務に触れやすくなります。

Q.夜勤の看護師がいない場合の役割は?
A.看護師不在の夜間、介護職員から連絡が来る可能性があります。オンコールに迅速に対応できるよう、緊急時の的確な指示出しが大切な役割です。また、介護職員が吸引など医療行為を行わなくてはならない場合の指導も必要となります。緊急時に対応できるよう、日ごろから連携を強めることが大切ですね。

Q.ほかのスタッフと連携を強めるポイントは?
A.自分が唯一医療行為のできる看護師であるということを忘れずに、チームを意識した行動や振る舞いがポイントです。たとえば、医療的なケアが必要となった場合に、介護職員へ丁寧にケアの方法とポイントを分かりやすく指導します。毎日顔を合わせるチームの仲間なので、笑顔で対応するなど接し方に工夫しましょう。

Q.老人ホーム側が求める看護師のスキルは?
A.看護師としての経験はもちろんのこと、ターミナルケアや看取(みと)り経験のある看護師は、老人ホームで重宝される可能性があります。また、高齢者ケア施設での勤務経験、認知症看護など高齢者に関する専門・認定看護師の資格も就職に有利です。

Q.老人ホームで行う医療行為は?
A.ほとんどの老人ホームでは、胃ろう・膀胱留置用カテーテル・住宅酵素・人工肛門・床ずれ処置の対応が可能です。施設によっては、インスリン注射・人工透析・経管栄養・常時の点滴も医療行為に含まれるでしょう。ただし、人工呼吸器の使用や気管切開・感染病などの処置は対応が困難なので、協力医の指示を仰いだり、病院へ搬送したりしなければなりません。

まとめ

いかがでしたか? 老人ホームの看護師は、基礎的な医療スキルで十分です。生活の介助が必要な高齢者が集う場所なので、病院のように高度な医療技術が要りません。そのため、結婚や出産を機に一度現場を離れた人が、再び看護師として復帰する職場として人気があります。また、夜勤がない施設がほとんどなので、ワークバランスが保てるのも大きなメリットでしょう。老人ホームの看護師の需要は高まり、求人傾向もうなぎのぼりです。就職・転職をスムーズに進めるためにも、ぜひポイントを押さえて希望条件に見合った職場を見つけてくださいね。