介護施設の看護師はどんな仕事をするの? 求人傾向や勤務形態とは?

看護師不足に悩まされている昨今、少子高齢化の影響もあり「介護施設」における看護師の求人と需要が高まってきました。看護師の仕事場は病院・クリニックだけと思われがちですが、介護施設・老人ホームなどさまざまな場所に広がっています。介護施設で働く場合は、入居者の健康管理を第一に考えて行動することが大切です。ほかにも、介護施設ならではの仕事内容と役割があります。本記事では、介護施設で働く看護師の勤務内容・求人について解説しましょう。

  1. 看護師の介護施設勤務の基礎知識
  2. 介護施設における看護師の仕事内容
  3. 看護師の介護施設勤務の特徴は?
  4. 看護師の介護施設勤務先の探し方
  5. 看護師の介護施設勤務に関してよくある質問

この記事を読むことで、看護師の介護施設勤務について詳しく知ることができます。興味のある方は、ぜひチェックしてください。

1.看護師の介護施設勤務の基礎知識

実際に働く前に、介護施設がどのようなところなのか把握しておきましょう。また、介護施設における看護師の必要性について解説します。

1-1.介護施設とは?

介護サービスを行う施設を「介護施設」「老人ホーム」といいます。大まかに「民間運営」と「公的施設」の2種類に分かれるでしょう。民間運営は有料老人ホーム・そのほかの施設、公的施設は介護保険施設・福祉施設に分かれます。その下には、サービス内容によって細かい分類があるので、以下に具体的な種類・類型をピックアップしました。

<民間運営>

  • 有料老人ホーム:介護付き・住宅型・健康型
  • そのほかの施設:サービス付き高齢者向け住宅・グループホーム・ケアハウス

<公的施設>

  • 介護保険施設:特別養護老人ホーム・介護老人保健施設・介護療養型医療施設
  • 福祉施設:養護老人ホーム

1-2.介護施設における看護師の必要性は?

介護施設は、日常生活の介助を必要とする高齢者が利用します。高齢者の健康管理・病気の発見・ケアなどを行うためには、医療知識を持った看護師が必要です。介護士にはない医療スキルと知識を持つため、異変が起きたときも適切な処置ができるでしょう。また、看護師が在籍することで、介護現場で働く人たちも安心して仕事に励むことができます。

1-3.常勤、非常勤など設置基準は?

介護施設の場合、種類によって設置基準が異なります。たとえば、老人保健施設と特別養護老人ホームの設置基準を以下に記しました。

  • 老人保健施設:入居者:医師=100:1、入居者:看護職員/介護職員=3:1(うち看護職員は2/7)
  • 特別養護老人ホーム:入居者:看護職員/介護職員=3:1(うち看護職員は入居者30名以下で1名以上、31~50名で2名以上、51~130名で3名以上

以上のように、適正な医療・介護を行うためには、一定の数以上の人員確保が必要です。医療・看護・介護の必要性がある施設ほど、人員配置基準が高くなるでしょう。

2.介護施設における看護師の仕事内容

それでは、介護施設における看護師の仕事内容を詳しく説明します。

2-1.主な職務、仕事内容は?

介護施設は高齢者が生活を送る場所なので、介護老人福祉施設を除く施設には医師が常駐していません。そのため、代わりに看護師が入居者の健康管理を行うことになります。施設の協力医がいる場合は、指示に基づいて必要な処置を行い、服薬の管理・定期健康診断の手配などが主な仕事です。入居者の毎日の健康状態をしっかりと把握し、変化が起きたときには迅速な対応も行います。

2-2.医療行為はあるの?

介護施設は医療施設ではないので、医療行為は制限されています。ただし、医師の指示によって看護師による一部の医療行為が許されているのです。介護施設の看護師ができることは、インスリン注射・床ずれの処置・在宅酸素・中心静脈栄養・痰(たん)の吸引・人工呼吸器の管理などがあります。また、介護施設によっては対応できない医療行為もあるので注意が必要です。いずれにせよ、医療行為が必要なときはすぐに協力医へ連絡しなければなりません。

2-3.ほかの勤務先との違いは?

総合病院・個人病院などでは、病気を抱えている人がほとんどなので医療行為が基本です。けれども、介護施設は入居者の健康・服薬管理が基本となるため、一般的な病院の看護師よりも業務負荷が軽いといわれています。ただし、急患の対応が発生したときは、すぐに適切な処置を施さなければなりません。病院ではほかにも看護師がいますが、介護施設によっては自分1人だけというケースもあります。

2-4.多くの関係者とのコミュニケーションが大事

介護施設には、入居者・協力医・介護職員など多くの関係者との連携が求められます。たとえば、入居者の健康に異常が見られた場合は、その旨を協力医・介護職員・入居者の家族に伝えなければなりません。連携が突然の事故を防ぐポイントになることもあります。入居者の情報を共有し連携することも大切な看護師の仕事なのです。

3.看護師の介護施設勤務の特徴は?

介護施設で働くメリット・デメリット、働き方、給料など知っておきたい内容をまとめて解説します。

3-1.メリット・デメリット

前述したとおり、一般的な病院と比べて看護師業務の負荷が軽い点が大きなメリットでしょう。重篤な病気を抱えている人が少なく、医療行為も制限されているため、高度な医療処置を求められる機会がほとんどありません。緊急でない限り、医療行為が必要な場合は、看護師が入居者に付き添って通院することになります。また、急患の対応も少ないので、突発的な残業が発生するケースもほとんどなく、勤務時間が安定しているでしょう。
ただし、ほとんどの介護施設において看護師は少数精鋭で、1人で業務を行うところもあります。職域がきちんと分けられていない施設の場合は、介助の仕事を行うこともあるでしょう。先端の医療技術に触れる機会がほとんどないため、看護師としてのスキルアップやキャリアアップには向いていません。

3-2.こんな人におすすめ!

看護師としてのスキルアップは期待できませんが、介護のスキルを伸ばすことができます。そのため、「介護の知識を増やしたい!」と思っている方には最適の職場でしょう。また、結婚や出産を機に、看護師の職場から離れたブランクのある看護師にも向いています。医療行為の機会が少ない職場だからこそ、ブランクのある看護師が復職する場として注目が集まっているのです。医療行為に自信がない方でも、一般の病院と比べると気持ちが軽くなるかもしれませんね。

3-3.どんな働き方があるの?

日勤・夜勤のみ、短期間などさまざまな働き方があります。介護施設の多くは日勤のみとなるでしょう。日勤の主なスケジュールは以下のとおりです。

  • 9時:出勤、申し送り
  • 9時半:入居者の健康状態を確認する
  • 10時:健康状態に合わせてインスリン投与など医療処置を行う
  • 11時:入浴前後の健康状態の把握と記録
  • 12時:昼食時の健康状態、食事介助など
  • 14時:入居者と交流しながら健康状態を確認する
  • 15時半:日中の健康状態や服薬状況など、細かく記録を記入する
  • 17時ごろ:夜間スタッフ(介護職員など)に申し送りをする

夜勤の場合は、入居者が寝ているので直接触れ合うことはほとんどありません。日中の記録をチェックし、定期的に見回り異常がないかを確認します。そして、日勤の看護師に夜勤時の様子を細かく伝えることになるでしょう。また、単発・短期間で働くこともできます。どんな場所なのか知りたい方は、短期から働いてみるのも選択肢の1つです。

3-4.給料、福利厚生などの条件は?

介護施設で働く看護師の平均年収は、20代後半で約360万円です。経験を積んだ看護師ほど給与が高くなる可能性がありますが、病院勤務の看護師よりも数十万低くなるでしょう。なぜなら、医療行為や夜勤がほとんどないからです。ただし、介護施設の種類によっては給与が高めのところもあります。気になる福利厚生も、介護施設での看護師ニーズが高まっているため、充実させる施設が増加中です。転職・就職する前に、福利厚生などの条件もチェックしておきましょう。

4.看護師の介護施設勤務先の探し方

より希望に見合った求人を見つけるために、探し方のポイントを押さえておきましょう。

4-1.求人傾向は?

少子高齢化が進んでいる現在、看護師・医師・介護士など医療・介護業界全体の人材が不足しています。特に、介護施設はキャンセル待ちになるほど高齢者でいっぱいになっているのです。年々、介護施設の数が増えており、看護師の需要も高まっています。看護師を確保しようと求人内容に力を入れる施設も増えている状態です。今後さらに、介護施設における看護師の求人が多くなるでしょう。

4-2.探す前にしておくこと

まずは、どのような働き方をするか決めることです。介護施設の勤務形態はほとんどが日勤ですが、施設によっては夜勤になる可能性もあります。何時から何時まで働けるのか、どんな働き方が自分に合っているのか考えることが大切です。
また、何のために介護施設で働くのか「目的」も明確にしておきましょう。介護のスキルを身につけたいなど、人それぞれ目的があるはずです。
さらに、ブランクから復帰する場合などは家族の協力も必要でしょう。小さい子どもがいれば配偶者と協力しながら育児・家事をすることも大切です。このように、探す前に自分が置かれている環境を見直し、どんな働き方をすべきなのかハッキリさせておくとよいでしょう。

4-3.探し方のポイント

求人情報誌やハローワークで職場を見つけることもできますが、おすすめは「看護師の就職・転職サイト」です。就職・転職サイトには、求人情報誌・ハローワークで扱っていない求人があります。看護師ならではの悩み相談や役立ち情報もあるので、安心して就職・転職ができるでしょう。「看護師キャリアアップ」では、好条件の案件を多数扱っており、登録から転職まですべてのサポートが無料です。ぜひ1度チェックしてみてはいかがでしょうか。

5.看護師の介護施設勤務に関してよくある質問

看護師の介護施設勤務に関してよくある質問を5つピックアップしてみました。

Q.施設による違いはどんなもの?
A.さまざまな種類がある介護施設は、それぞれで働き方が異なります。たとえば、最もハードな職場だといわれている「介護老人福祉施設」は、65歳以上で要介護3以上の認定を受けている方が対象です。介護が必要な方・緊急性の高い方が入居し、最期まで過ごすことができます。そのため、看取(みと)り件数も多く、医療ニーズが比較的高めです。一方、在宅復帰する入居者が多い「介護老人保健施設」は、医療ニーズがそれほど高くなく、オンコールの当番になる頻度も低い傾向があります。施設によって仕事内容も異なるので注意してください。

Q.介護施設の看護業務に向いている人は?
A.高齢者との交流が好き・チームプレーでのケアを大切にしたい・コミュニケーション能力が高い・介護へ関心がある方に向いています。また、多くの介護施設では、長年にわたって入居者と付き合うことになるでしょう。じっくりと信頼関係を築き上げていくので、人とのつながりを大切にしたい方にも向いています。

Q.どんなスキル・資格が必要?
A.特別なスキルは必要ありませんが、入居者1人1人の体の状態を把握し、健康状態を維持する管理能力・観察眼が必要になります。また、同じ施設で働くスタッフとのコミュニケーション能力も大切です。緊急時には適切な処置が必要なので、看護師としての能力も求められます。

Q.応募する前にチェックしておきたい点は?
A.介護老人保健施設の場合は、医師が在籍する代わりに看護師も夜勤を行う場合があります。逆に、特別養護老人ホームの場合は夜勤はありませんが、オンコール対応が必要なところもあるのです。施設によって勤務形態・条件が異なるため、きちんと仕事内容と条件をチェックしましょう。

Q.就職・転職サイトを利用する流れが知りたい
A.まず、看護師就職・転職サイトへ登録します。登録は無料なので安心してください。登録すると担当者から連絡があり、電話・面談によるカウンセリングを実施します。カウンセリングでは、どのような仕事に就きたいのか、希望条件などを詳しく伝えてください。そして、希望条件に合う求人案件の紹介→応募→内定→入職となります。

まとめ

いかがでしたか? 介護施設での看護師は、医療行為が限られているので一般病院の看護師とは仕事内容が異なります。主な仕事は、入居者の健康状態や服薬の管理、施設によっては介護の仕事も行うことがあるでしょう。入居者とのコミュニケーションはもちろん、その施設で働く人とのやり取りと連携も必要です。介護施設ならではの役割と仕事内容をきちんと把握すれば、働き方が見えてくるでしょう。また、求人傾向も上昇しているため、希望条件に見合った職場が見つかる可能性もあります。探し方のポイントを踏まえて、最適な職場を見つけましょう。