看護の環境整備とは? 内容や種類、転職・就職のコツなど徹底解析

「看護の環境整備ができない人は良い看護師になれない」と言われているほど、看護の環境整備は大切な要素です。環境整備ができているからこそ、看護師としての経験・実績を積むことができます。内容・手順・種類・方法など把握しておかなければならないことがたくさんあるため、ごちゃごちゃになる方も多いでしょう。しかし、環境整備について分からないままでは看護ケアができないので、きちんと知っておかなければなりません。そこで、本記事では、看護の環境整備とは何か、内容・問題点・環境整備計画・転職と就職のポイントについて説明します。

  1. 看護の環境整備の基礎知識
  2. 看護の環境整備の内容について
  3. 看護の環境整備の問題点
  4. 看護の環境整備計画について
  5. 看護師の転職・就職について
  6. 看護の環境整備や転職・就職に関してよくある質問

この記事を読むことで、看護の初歩である環境整備について詳しく知ることができます。転職・就職を考えている方や看護師として働きたい方は、ぜひチェックしてください。

1.看護の環境整備の基礎知識

適切な環境整備を行うためには、基礎知識を深めることが大切です。概要や目的・重要性、一般的なものとの違いについて説明します。

1-1.概要

看護における環境整備とは、居心地の良い入院生活を提供するために環境を整えることです。看護師は、より快適な入院生活や治療が行えるように工夫しなければなりません。早期治療・完治のために、徹底した環境整備が必要不可欠となります。誰もが知っている看護教育学者のフロンレス・ナイチンゲールは、環境整備を看護の基本と考えました。「自然が病人に対して最も働きやすい状態にすること」「自然治癒力を高める手段」として、環境整備が重要だと述べていたのです。

1-2.目的・重要性

看護の環境整備は、患者のケガ・事故・感染症防止や早期治療を目的としています。患者の安全・安心・安楽のためでもありますが、医師や看護師など病院で働く人によってより良い環境にすることも目的の1つです。主に、以下の5つが目的とみなされています。

  • 治療・看護がより効果的に行われ、質の高い医療提供の一環を担う
  • 医療従事者や病院関係者に、安全で良好な労働環境を保障する
  • 患者に快適で安全な療養環境を提供する
  • 感染症・ケガ・事故などの二次的障害を防ぐ
  • 建物の維持保全をする

1-3.一般的なものとの違い

「環境整備」という言葉は、看護業界だけでなく、さまざまな分野で見られるものです。環境整備は、安心・安全・安楽のための環境をつくることを意味しています。公共事業として実施される環境整備は、森林環境整備や住宅市街地の形成を図るための補助制度などが挙げられるでしょう。看護業界との徹底的な違いは、対象が医療施設・患者であることです。非健常者のために、医療・福祉事業にかかわる人たちが取り組む内容となります。

2.看護の環境整備の内容などについて

看護の環境整備における内容・手順、種類・方法、メリットについて説明します。

2-1.内容・手順

看護師のテキストにも記載されている環境整備は、以下のとおりです。

  • プライバシーの保護:カーテンを使った仕切りや全室個室など
  • 換気と臭気の除去:新鮮な空気を取り入れること
  • 室温と湿度の保持:快適な環境と言える室温・湿度を維持すること
  • 騒音の原因と排除:ストレスとなる騒音を排除すること
  • 採光と照明:刺激が強すぎる光や太陽光を遮断すること
  • 病室や備品の色彩:病室の環境整備や備品の充実など
  • 床とベッドについて:床とベッドの清潔な状態を維持すること

また、環境整備を行う場合は、病院によって手順が決まっています。基本的に大差はありませんので、以下の手順を参考にしてください。

  1. 環境整備を行う旨を患者に説明して了承を得る
  2. 窓を開けて空気の循環・換気を行う
  3. 照明の点灯確認・ホコリの除去
  4. ベッド・シーツを整える
  5. ベッド周辺の整備・整頓を行う
  6. ベッドの設置機材・周辺機器の清掃を行う
  7. カーテンの状態確認・交換を行う
  8. カーテンフック・レールの状態確認
  9. ベッドのギャッジアップなどに使うアイテムの収納確認
  10. プライバシーの配慮
  11. 通路・廊下の整備を行う

2-2.種類・方法

看護の環境整備における種類や方法は具体的に決まっていません。基本となるのは、病床を取り巻く3つの環境要素です。3つの環境要素について、以下にまとめました。

  • 物理的な環境要素:室内の気候(気温・湿度・気流など)・明るさ・静けさなどによるもの
  • 建築空間要素:床・壁・天井・寝具・床頭大・仕切りカーテン・療養生活のための家具など室内空間を形づくるもの
  • 社会行動的な要素:患者同士や看護師・医師など医療関係者との人間関係

2-3.メリットについて

看護の環境整備は、患者が病床生活を安全・安楽・快適に送ることができるメリットがあります。環境整備の目的そのものが、大きなメリットにつながるのです。患者自身がリラックスでき、治療に専念することができれば、スムーズに完治できる可能性も高まります。さらに、身のまわりの環境を整えることで、看護師・医師・患者さんのコミュニケーションも円滑になるというメリットが生まれるのです。

3.看護の環境整備の問題点

看護の初歩とも言える環境整備には、問題点もいくつかあります。的確に行うためにも、問題点をきちんと把握しておくことが大切です。

3-1.マニュアルがない

看護の環境整備は、これといったマニュアルや決まりがありません。ナイチンゲールの「看護覚え書」という本の中に記載されていますが、ルール・規則・基準がないので、手順・方法も病院によって異なるでしょう。そのため、「マニュアルがないと困る!」と思う方も多いはずです。看護学校や看護師の先輩から教えてもらうことになるので、きちんと勤務先の決まりを把握しておきましょう。また、看護の環境整備の目的を覚えておけば、問題ありません。

3-2.連携不足

不十分な看護ケアや不衛生な環境などは、看護師同士・医師との連携不足が問題となるケースもあります。看護ケアは1人で行うことができません。看護ステーションに在籍しているスタッフ同士全員がチームワークを発揮する必要があります。特に、日勤と夜勤の交替を行う際は、患者さんの様子やケアなどについて、きちんと伝えることが大切です。

3-3.個人差

すべての患者が同じ病気をわずらっていたり、性格が同じだったりということはありません。人それぞれ異なる体質・性格をしており、病気を持っています。そのため、看護の環境整備にも個人差が出てきてしまうのです。たとえば、神経質な人は少しの光や音だけでも過敏に反応するなど、接し方にも違いが出てくるでしょう。スタッフ同士の連携を強め、患者さん1人1人と向き合うことが大切ですね。

4.看護の環境整備計画について

スムーズに看護の環境整備が行えるか否かは、計画の立て方が大きなポイントです。環境整備計画の現状・今後、取り組みについて説明します。

4-1.現状・今後

現在の環境整備における看護目標は、安心・安全・安楽・コミュニケーションの4項目です。それらを基準として、看護計画を立てていきます。繊細な神経を持っている人が増え、気持ちや心情が病気につながると重視されているため、今後はコミュニケーションに注目が集まるでしょう。患者とのコミュニケーションを図ることで、精神的な好影響はもちろんのこと、状態や症状・病気に対する考え方などの情報も入手できます。

4-2.取り組みについて

4項目を基準にして看護計画を立てた後は、実際に行動しなければなりません。しかし、行動を起こす前に、環境整備の観察項目を確認しておきましょう。観察項目は環境整備計画の大切な取り組みです。項目は多岐にわたりますが、主に、環境調節・清潔管理・事故防止・整理整頓・医療機器と物品の管理・プライバシー管理の6つがあります。それぞれのチェック項目を以下にまとめてみました。

  • 環境調節:騒音防止・臭気管理・湿気の適正・室内温度の適正・室内明度の適正
  • 清潔管理:シーツや寝衣の汚れ・食器類の汚れ・ベッド周辺の汚染・ゴミ箱の状態・尿排泄物の滞留など
  • 事故防止:ライン類の安全管理・コード類の整理・ベッド柵の固定など
  • 整理整頓:ベッドサイドの履物整理・患者の私物整理・使用後の機器放置など
  • 医療機器・物品の管理:医療機器の設置・医療機器の正常作動・ベッド周辺の医療物品配置
  • プライバシー管理:ドアやカーテンの開閉・同室患者間のトラブルなど

5.看護師の転職・就職について

看護師として働くためには、希望条件に合った職場を見つけなければなりません。就職・転職のポイントや相談窓口・注意点についてチェックしておきましょう。

5-1.就職について

看護師として就職する際は、新卒採用か、既卒採用のどちらかになります。もちろん、どちらとも看護師の国家試験をパスして免許を取得しておかなければなりません。現在、看護師として働いている方の多くが、看護専門学校または大学の看護科で学び、国家資格を取得しています。国家試験は受験資格があるため、未取得の方はこちら(厚生労働省のホームページ)を確認してください。

5-2.転職のポイント

現在の看護師は人手不足に陥っています。ほとんどの病院が看護師を欲しがっているため、就職先がないという状態にはなりません。看護師の資格を取得しておけば、就職・転職に有利です。できれば、希望条件に合った職場で働きたいと思っている方が多いでしょう。ハローワークや求人情報雑誌・病院のホームページなどで求人情報がチェックできます。より好条件の案件を見つけたい方は、看護師の転職サイトをチェックしてください。さまざまな方法を活用して、常にアンテナを張り巡らせておくといいでしょう。

5-3.相談窓口

看護師の就職・転職にかんする悩みがある方は、転職サイトに相談するといいですよ。看護師専門の転職サイトは、コンサルタントと呼ばれるプロのスタッフが相談にのっています。就職・転職への悩みはもちろん、看護師として働くための心がけや面接のポイントまで相談可能です。「看護師キャリアアップ」は、大手看護師転職・求人サービスの特徴を分かりやすく解説していますので、ぜひチェックしてください。

5-4.注意点

希望条件に適した職場を見つけるためには、優先順位を決めておきましょう。新しい職場に何を求めるのか、どの項目を重点に置いているのか、明確にしてください。安定した収入を得たい方は定職率の高い職場、子どもがいる場合は託児所のある病院など、自分で優先順位を決めることが大切です。

6.看護の環境整備や転職・就職に関してよくある質問

看護の環境整備や転職・就職に関してよくある質問を5つピックアップしてみました。

6-1.環境整備をしないとどうなるのか?

感染の拡大・症状や病気の悪化などの2次災害が、次々と起きてしまいます。ケガや病気を治す場所にもかかわらず、悪化してしまう環境はよくありません。

6-2.患者の様子を観察する際のポイントとは?

環境整備において、患者の様子を観察することも大切です。顔色はどうか、症状の出現が出ているか、疾患の状態や生活習慣など、細部まで観察してください。そして、そのときの状態に合った環境整備をしましょう。

6-3.環境整備をスムーズに行うコツとは?

病室の管理をすべて患者に任せないこと・患者のプライバシー保護を考えずに環境整備を行わないことを念頭に置いてください。2つの注意点をきちんと把握しておけば、スムーズに環境整備を行うことができます。

6-4.転職サイトを利用するメリットとは?

好条件案件が見つかること以外にも、転職のプロがサポートする・すべてのサポートが無料・就職や転職を成功させるポイントが分かるなどのメリットがあります。不安を感じている方におすすめです。

6-5.転職サイトの選び方とは?

1番注目してほしいのが、サポートスタッフの対応です。サポートスタッフとの相性が、就職・転職を成功させる大きなポイントとなります。スタッフの対応が悪い転職サイトは利用しないでください。

まとめ

いかがでしたか? 環境整備は 安心・安全・安楽のための環境をつくることです。看護においては、初歩中の初歩と言われており、環境整備をきちんと行うことができない看護師は1人前になれません。看護師としてスキルアップするためには、環境整備をきちんと行うことが大切です。患者のケガ・事故・感染症防止や早期治療を目的としていることだけは、頭の中に入れておきましょう。どうすれば患者にとって快適かつ安心・安楽な環境になるのか、考えて行動するといいですよ。事前に、環境整備の知識やポイントを押さえてくださいね。